冬場は大根が美味しい季節ですよね。
おでんや煮物、サラダ、大根おろしととてもレシピの多い食材です。
八百屋ではある程度カットはされていますが葉も付いて売られているので、捨てずに料理している方も多いのではないでしょうか。
炒め物や漬物にすると美味しいですよね。
しかし、最近では大根の葉に毒があるので危険だと言われています。
いったいどんな危険性があるのか、何に注意すれば良いのか。
大根の葉の注意点を解説!危険?毒はある?
大根の葉に毒があるので食べない方が良いという噂がありますが、いったいどんな毒なのか、どんな対処法をすれば良いのか気になりますよね。
毒はないのになぜこのような噂が流れているのか、その実態を紐解いていきましょう。
大根の葉に毒はない!ぜんぶ食べられる
それは、農薬が残っている可能性があるからです。
少し、大根について説明します。
大根は種を植えてから約2か月で収穫できる野菜です。
芽が出て葉が大きくなるにつれて、地中の根が太くなり収穫の時期には30cm以上の立派な大根として成長します。
そのためには間引きや水やり、害虫駆除のためにネットをかけたり、場合によっては農薬を使用する事もあります。
大根の白い根の部分は土に埋まってますが、葉は地上に出ているため根よりも多くの農薬が残っている場合があります。
そのため毒があると言われる事がありますが、しっかりと水で洗い流せば問題はありません。
大根の葉は食べ過ぎNG!シュウ酸とナトリウムに注意しよう
食べ過ぎには注意が必要です。
大根の葉には身体に良い栄養素が沢山含まれています。
体に良い栄養素
- ビタミンA
- ビタミンC
- 食物繊維
- 葉酸
- 鉄分
- カルシウム
- カリウム
このように大根の葉には大根の根よりも栄養素を多く含んでおり、積極的に食べる事をお勧めします。
ただし、シュウ酸とナトリウムが含まれているので食べ過ぎには注意が必要です。
体内のシュウ酸濃度が高まる事による尿路結石について以下の様な文献があります。
シュウ酸カルシウムは凝集して結石を形成しやすく、とくに尿路系結石を起こしやすい物質です。
ホウレン草を生で食べると、消化管から吸収されたシュウ酸ナトリウムは、消化吸収され、尿路でカルシウムと結合して結石を生じてきます。
引用元URL:https://futaba-cl.com/column/c-048.html
また、ナトリウムを摂取し過ぎると生活習慣病を引き起こす可能性があります。
ナトリウムを摂りすぎると引き起こす症状
- むくみ
- 高血圧
- 高カリウム血症
- 胃がん
ナトリウムとは人が必要な栄養素の1つで、主に塩分から毎日の食事で摂取し過ぎになりがちです。
多少の摂り過ぎは尿として排出されますが、過剰摂取が続くとこのような症状になるため注意しましょう。
大根の葉はそのまま食べると苦いので注意
その原因は「シュウ酸」です。
他の野菜にはどのくらい含まれているのでしょうか。
【野菜100gあたりのシュウ酸含有量(mg)】
食品名 | 含有量(mg) |
ほうれん草、スイバ | 800 |
チアシード(乾燥) | 700 |
キャベツ、ブロッコリー、レタス | 300 |
サツマイモ | 250 |
ダイコン、小松菜、カブ | 50 |
このように大根の葉には100gあたりに50mgのシュウ酸が含まれています。
ほうれん草と比べると16分の1と比較的多い方ではないので、普段の食事で摂る分には問題ありません。
しかし前途したように過剰に摂取すると病気の原因になるので注意しましょう。
この後で解説します。
大根の葉には農薬が付着!洗う時、トゲは痛いので気をつけて洗い流そう
新鮮な大根の葉には小さなトゲがあるので刺さらないよう気をつけましょう。
八百屋で購入した大根を料理する時に、チクッとしたことはありませんか。
実は大根の葉にはトゲが沢山あります。
茄子のへたやキュウリにもトゲがありますが、これは新鮮な証拠です。
対処法
- ゴム手袋を付ける
- 塩水に漬けてしならせてから使う
- 塩ゆでする
特にアブラナ科の野菜は茎や葉にトゲがあり、農家の方は収穫の時には必ず手袋をしています。
新鮮な野菜の下処理の時にはゴム手袋を付けるようにしましょう。
葉の部分を切り落として洗ったら、塩水に漬けると浸透圧の作用でしんなりとなります。
その後、さっと洗い塩ゆですれば美味しい料理の下準備は完了です。
大根の葉のあく抜きは絶対必要?
野菜を食べた時に不快に感じる時ってありますよね。
例えばタケノコやほうれん草を食べた時に感じる「苦み、えぐ味、渋味」です。
子供が野菜嫌いになる原因のひとつで、野菜に含まれる不快な味を総称して「あく」と呼びます。
大人になり嗜好が変わると、このえぐ味が好きという方もいるのではないでしょうか。
シュウ酸含有量は少ないので苦いのが大丈夫な人なら生でも食べられる
大根の葉には大根の根よりも栄養素を多く含んでおり、身体に良い効果が期待できるのですが、苦いので塩ゆでする事をお勧めしてきました。
その苦みの原因が「シュウ酸」ですが、他の野菜にはどのくらい含まれているのでしょうか。
【野菜100gあたりのシュウ酸含有量(mg)】
食品名 | 含有量(mg) |
ほうれん草、スイバ | 800 |
チアシード(乾燥) | 700 |
キャベツ、ブロッコリー、レタス | 300 |
サツマイモ | 250 |
ダイコン、小松菜、カブ | 50 |
このように大根の葉には100gあたりに50mgのシュウ酸が含まれています。
他の野菜と比べるとそれほど多くないので、普段の食事で摂取する分には問題はありません。
また、苦いのが大丈夫な人は生でも食べられます。
あく抜きの方法は2つ
熱に弱いので基本的に火を入れる事です。
その方法を2つ紹介します
- 塩で茹でる
あく抜きの方法
- 水で良く洗う
- お湯1リットルに対して1%(10g)の塩を入れる
- 約3分茹でる
- 冷水で冷やしてから水気を取る
- 電子レンジを使う
あく抜きの方法
- 水で良く洗う
- 耐熱容器に入れラップをかける
- 600Wで約3分加熱する
- さっと水で洗ってから水気を取る
水気を取ったら出汁とあえてお浸しにしたり、ドレッシングとからめてサラダにすればお子様でも食べられる美味しい料理に仕上がります。
ぜひ、試してみてください。
大根の葉はどこまで食べられる?
フードロスが問題になっている世の中で、食べられる葉や皮を廃棄する事に引け目を感じますが、どこまで食べられるのでしょうか。
今ではほとんどの野菜に農薬が使われているのが現状です。
食べ方によっては有毒な成分を摂取する場合があります。
しかし、処理や調理の方法に気をつければ、身体に良い栄養素を摂取し美味しく食べる事が出来ます。
基本的にはぜんぶ食べられる
ただし、枯れているところや根に近いところはスジが固いので食べるのは避けましょう。
身体に良い栄養素
- βカロテン・・体内でビタミンAに変換して、皮膚や粘膜を丈夫にします。
- ビタミンK・・カルシウムの生成に欠かせないビタミンです。
- カリウム ・・体内の余分な塩分などを体外に排出する働きがあります。
根元は農薬が溜まりやすい&取り除きにくいので注意
大根に限らず、野菜の葉や実には害虫が寄ってきます。
家庭菜園程度なら手で取る事も簡単でしょうが、広大な畑ではそんな事は出来ません。
大根の白い根の部分は土に埋まってますが、葉は地上に出ています。
害虫は葉に集中するので農薬は不可欠となっているのです。
収穫後は土を洗い落すため根の部分は洗われますが、葉の部分までは洗われていないので、店舗に並んでいる大根の葉には農薬が付着しています。
葉の中でも根に近い部分は農薬が溜まりやすいため、食べるのは避けた方が良いでしょう。
大根の葉はどうやって食べるのが理想?
では、どうやって食べるのが理想ですか。
これまでは大根の葉についている農薬や、成分のいくつかが身体に良くないと説明してきましたが、注意点を簡単にまとめます。
大根の葉の注意点
- シュウ酸を摂取し過ぎると尿路結石の危険がある。
- 「あく」を抑えるために熱を加える。
- 葉の根の部分は農薬が溜まっている事がある。
ビタミンCを効果的に摂取するには生がいちばん
大根の葉に含まれる栄養素のビタミンCを効率よく摂取するには、生で食べるのがお勧めです。
なぜなら、ビタミンCは水溶性のため茹でたり炒めたりすると栄養素が流れ出てしまうからです。
少し青臭さが気になるかもしれませんが、昔から良薬は口に苦しという言葉もあります。
「苦いサラダ」という名前のサラダがあってもいいのではないかと思います。
ドレッシングやスパイスを使いながら、お洒落な朝食に添えるサラダに仕上げるのはいかがでしょうか。
油との相性がいい栄養素も!炒めて食べる
大根の葉に含まれる栄養素のβカロテンを効率よく摂取するには、油で炒めるのがお勧めです。
なぜなら、βカロテンは脂溶性ビタミンなので油で炒めるととても吸収がよくなります。
βカロテンを多く含む野菜として、人参、ピーマン、カボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜があります。
これらも同様にサラダや茹でたりするよりも、油を使って調理した方が栄養の吸収率はアップします。
ちなみに、βカロテンビタミンAに変換されるプロビタミンAです。
茹でるとあく抜きや農薬対策にも
ビタミンCを効率よく摂取するためにサラダをお勧めしましたが、どうしても苦みが気になる場合は茹でる事をお勧めします。
茹でることによって水溶性のビタミンを損失してしまうので、出来るだけ短時間で茹でるのが望ましいです。
お浸しにしたり、しゃぶしゃぶの時の箸休めとして、豚肉や魚と一緒に食べてみるのはいかがでしょうか。
ビタミンを失うデメリットもありますが、青臭さが和らぎ農薬やシュウ酸を抑えられるメリットがあります。
漬け物は常備菜にぴったり
食事の時に何かもう一品欲しいなという事ありませんか。
そんな時に常備菜として漬物を作っておくことをお勧めします。
一度漬けておけば、ごはんのお供やお弁当の1品としてとても便利です。
一般的な作り方は、水で良く洗って汚れを落としたら、塩を揉みこんで袋に入れて重石をします。
2〜3日後に水気を切ったら完成です。
味付けとして、漬ける時に昆布や唐辛子、ニンニクをいれると旨味が加わり食欲が湧くこと間違いありません。
まとめ:大根の葉の注意点を解説!危険?毒はある?シュウ酸のあく抜きは必要?
今回は大根の葉という捨てられがちな部分について解説してきましたが、捨てずに丁寧に処理すれば美味しく食べられる事が分かりましたでしょうか。
これは大根に限った事ではなく、多くの食材で本当は食べられる部分なのに捨てられている現状があります。
SDGsが叫ばれている現代社会において、今回のテーマはとても大切な内容です。
一人一人が意識を変えていけば、幸せな未来が訪れるのではないでしょうか。
少し話がそれましたが、本日のまとめです。
結論は大根の葉に毒はありません。
最後までご覧頂きありがとうございます。
間違った情報に惑わされず、豊かで健康な生活を送りたいですね。