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MCTオイルに発がん性はある?危険性はないの?





体に良い油と言えば、オリーブオイルやココナッツオイル、亜麻仁油が有名ですが、MCTオイルって何ですか?

発がん性などの危険性があるんですか?

MCTオイルというのは、ココナッツやパーム核油などに含まれる中鎖脂肪酸油(Medium Chain Triglcerides)だけを取り出し人工的に作り出した油の事です。

ココナッツやパーム核油の中鎖脂肪酸油の含有率は60%程ですが、MCTオイルはそれだけを精製した中鎖脂肪酸油含有率は100%になります。

この記事ではMCTオイルに発がん性があるのか、特徴や効能を詳しく解説していきます。

MCTオイルに発がん性の危険性はある?

結論から言うと、MCTオイルに発がん性があるという報告は現在のところありません。

中鎖脂肪酸油は母乳や牛乳にも含まれていて、もともとなじみのある成分です。
また医療現場では、以前から腎臓病やてんかんなどの治療に使用されているのです。

まずMCTオイルの効果を紹介します。

メリット

  • 消化吸収がスムーズ
  • エネルギーになりやすい
  • アスリートの体づくりをサポート
  • ダイエットに効果的
  • 常温で保管出来る

この様にたくさんのメリットがあるのに、なぜ発がん性があると言われるのか?
理由とデメリット、危険性を抑える摂取方法を紹介します。

MCTオイルが酸化すると細胞のがん化に関与する可能性はある

日本食肉消費総合センターではこの様に発表されています。

最近、ガンの発生に、活性酸素などフリーラジカルが関与することが判明。発ガン要因が体内に活性酸素をつくり、遺伝子の突然変異や、ガン遺伝子の活性化、あるいはガン抑制遺伝子の不活性化が起こります。さらに発ガン要因が刺激を与え、細胞のガン化を促進すると説明されています。

体は本来、活性酸素などフリーラジカルの害を防ぐ抗酸化酵素を持っています。またビタミンEやC、β-カロチンなど抗酸化物質を食事から摂取し、活性酸素に対抗しています。何かの理由で抗酸化酵素が働かず、抗酸化物質が不足すると、細胞のガン化が進みやすいといわれます。

フリーラジカル
活性酸素などにより電子を奪われ不安定になった物質。体内では活性酸素で酸化された脂質=過酸化脂質が問題。次々と電子を奪い、他の物質を酸化させるため、老化や細胞のガン化に関与するといわれます。

引用元:http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui2/q_031.html

この内容から、ガンの発生には活性酸素などフリーラジカルが関与することが判明しています。
ガン予防には発ガン性物質を避けると共に、抗酸化物質を含む食品を摂ることが大切です。

【補足】MCTオイルは酸化に強い油

酸化した油は体に良くないという事は分かりました。
このMCTオイルは酸化が早いのですか?

MCTオイルは他オイルと比べて酸化しにくいタイプです。

油の酸化とは空気中の酸素と油が結合して起こる反応です。
嫌な匂いがしたり、胸やけ、腹痛の原因となります。
時には食中毒の可能性もあるので注意が必要です。

一般に使われている食用オイルは不飽和脂肪酸(オメガ系・長鎖脂肪酸)で、MCTオイルは飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸)です。
後者の方が酸化への耐性が強いため、劣化しにくい特徴があります。

いくつかの油を2種類に分けてみましょう。

酸化しやすい油

  • オメガ3・6の油
  • サラダ油
  • ごま油
  • 大豆油
  • コーン油
  • ひまわり油
  • 亜麻仁油 など

酸化しにくい油

  • バター
  • ラード
  • ココナッツオイル
  • オリーブオイル
  • 米油菜種油 など

油は冷暗所で保存し、開封したら出来るだけ早めに使い切りましょう。

なぜMCTオイルに発がん性があるなんて噂があるの?

MCTオイルは酸化すると過酸化脂質という物質に変わります。
過酸化脂質は動脈硬化や老化、細胞のがん化を引き起こす可能性があるのです。
おそらくこの様な懸念が大げさに伝わって、発がん性の噂になっているのではないでしょうか。

噂の理由をまとめました。

内容をまとめると...

✔流行るものには悪評が付きまとう。
✔酸化したMCTオイルのデメリットの噂だけが広まった

ネット上ではこの様な質問があります。

MCTオイル20グラムで大量に揚げ焼き調理をしてしまいました。
発がん成分が発生するとか?
今日の夕食のメインなのですが、近々なにか害があるのでしょうか。
私はたまにはコーヒーを飲んだり寿司も食べる妊婦です。そこまで食に神経質にはなっていませんが、発がんといわれるとこわくなってしまって…。

MCTオイルで揚げ焼きをすると発がん性があるのでは、という質問ですが、MCTオイルに限らず、劣化した油は過酸化脂質を発生させます。
にもかかわらず、この様な誤解が生まれているのは、流行り始めてまだ日が浅いからではないでしょうか。

やはりMCTオイルには発がん性があると心配している人は多い

心配している人のツイッターをいくつか紹介します。

https://twitter.com/miyukichi35/status/1423962587138379777

紹介したツイッターの内容に、医学的根拠はありません。

MCTオイルには発がん性以外の危険性はある?

酸化すると発生する過酸化脂質が体に悪いのは分かりました。
他にはどの様な特徴があるのでしょうか。

メリットとしては、消化吸収がスムーズでエネルギーになりやすく、体づくりをサポートをしてくれます。
また、ダイエットに効果的です。

ここからはメリットだけではなく、デメリットや発がん性以外の危険性を解説していきます。

脂質なので太りやすくなる

それでは、摂取する上での注意点を紹介していきます。

MCTオイルを飲んでいるのに痩せないという経験のある方もいるのではないでしょうか。
実際にダイエットに効果があり、エネルギーになりやすいのが特徴ですが、実はカロリーが高い油なんです。

大さじ1杯(15ml)で約100kcalのエネルギーとなります。
ダイエットのためにMCTオイルを摂りすぎると、カロリーオーバーとなり太る原因になるのです。
そうなっては本末転倒ですよね。

MCTオイルは体に良いものでありますが、油であることには変わりないので摂りすぎないよう、カロリーコントロールをしましょう。

コレステロール値の上昇を招く恐れがある

MCTオイルですが、デパートやスーパーに並んでますが、どんなものを選んだら良いのか迷ってしまうんですよ。

そんな方に、大切な情報を紹介します。

MCTオイルはココナッツを原料としたものが多く、希少なため価格が高くなります。
ココナッツより安いパーム油由来のものには、飽和脂肪酸が多く含まれており健康面においてはリスクが伴います。
飽和脂肪酸は血液中のLDLコレステロールを増やし、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす可能性があります。

少し値段は高くなりますが、体の事を考えるとココナッツオイル由来の商品がおすすめです。

摂取しすぎると下痢や腹痛を引き起こす可能性がある

MCTオイルは、中鎖脂肪酸という消化吸収スピードの早い油で、普通のサラダ油と比べて小腸内で早く吸収されます。
この油を1度に大量摂取すると、下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。

まず、小腸内の浸透圧が急激に高まります。
すると体は浸透圧を下げようと多量の水分を小腸内に引き寄せようとします。
その結果、小腸内の水分量が異常に多くなって、下痢や腹痛になってしまうのです。

こうしたMCTオイルの過剰摂取の副作用は一過性のものなので、安静にしていれば回復します。
これからMCTオイルを取り入れた食生活を始める方は、小さじ1杯(5ml)くらいから始めるのがおすすめです。

MCTオイルの発がん性や危険性を抑える方法は?

ここまでは摂取する際の注意点を紹介しましたが、MCTオイルの特徴は分かりましたか?

注意点をまとめると...

✔意外とカロリーが高いので摂りすぎない。
✔パーム由来よりココナッツ由来がおすすめ。
✔下痢を起こすので、大量に摂取しない。

せっかく良質で高価なオイルを間違った方法で摂取してなかったでしょうか。

それでは、最後に発がん性や危険性を抑える方法を具体的に紹介していきます。

直射日光が当たるところでの保存を避ける

前途の「MCTオイルは酸化に強い油」のまとめで記載したのですが、油は冷暗所で保存し、開封したら出来るだけ早めに使い切りましょう。

保存方法をまとめました。

保存方法

  • 食用油は光と熱により劣化します。
    直射日光だけではなく電灯の光も当たらない場所で保存しましょう。
  • 高温の場所や温度の変化も嫌います。
    出来れば、冷蔵庫のなかで保存する事をおすすめします。
  • 開封したら、キャップをしっかり締め密封して、水分や虫の侵入を防ぎましょう。
開栓前後を問わず、出来るだけ早めに消費しましょう。

注意

MTCオイルはプラスチックやスチロールを変形させてしまう性質があるので、ガラス瓶以外での保存は避けて下さい。

できるだけ加熱しないで使う

ここまであまり触れてきませんでしたが、MCTオイルは加熱しないで下さい!!

MCTオイルは料理にかけたり、飲み物に入れて摂取する食用オイルなので、加熱には向きません。
調理用オイルの発煙温度が約200℃なのに対し、MCTオイルは約140℃と低いため、高温で加熱するとすぐに煙が出て劣化してしまいます。
すでに触れたように、酸化したMCTオイルは過酸化脂質を生成するので、がん予防の意味で摂取を控えて下さい。

サラダやヨーグルトなど、加熱をしていない料理や飲み物に加えて摂取する事をおすすめします。

注意

揚げ物や炒め物をする時は、調理用油を使用して下さい。

MCTオイルを一度に摂り過ぎないようにする

MCTオイルを一度に摂りすぎた時のデメリットをまとめます。

デメリットをまとめると...

✔油なので摂り過ぎは太る。
腹痛や下痢を起こす。

MCTオイルは消化吸収が速くカラダに蓄積しない特徴がありますが、消化吸収が良いからといって大量に摂る生活を続けると太ります。
MCTオイルをただ単にプラスするのではなく、他のオイルの置き換えとして摂取するようにしましょう。

これからMCTオイルを取り入れた食生活を始める方は、小さじ1杯(5ml)くらいから始めるのがおすすめです。

注意

疾患や持病がある方がMCTオイルを摂取する場合は、事前に医師や管理栄養士に相談が必要です。

まとめ:MCTオイルに発がん性はある?危険性はないの?

結論は、MCTオイルに発がん性があるという報告は現在のところありません。

MCTオイルは酸化すると、過酸化脂質という細胞のガン化を引き起こす物質に変わりますが、これをもってMCTオイルに発がん性があるというエビデンスにはなりません。

実はMCTオイルはケトン体の生成を促します。
このケトン体はがん予防に効果的であるという研究が進められています。

健康のために、適量を料理や飲み物に摂り入れながら摂取しましょう。
開栓後は賞味期限や保管方法を問わず、1~2か月で使用するのが望ましいです。
健康な生活を送るために食事内容には気をつけたいですね。

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