日本ではかねてより韓国ブームが続いていますし、韓国ドラマの中で飲まれているのを見かけて、興味を持った方もいるかと思います。
現に、日本だとチャミスルは比較的、若い層の間で流行しているそうですね。
しかし、このチャミスルには体に悪い、悪酔いする、などの噂が付きまとっているようなんです。
記事監修者
大道容子
薬剤師
薬学科卒業後、生命科学系大学院修士課程進学。院生時代にドラッグストアで薬剤師としてのアルバイトを経験。大学院卒業後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に入社。機構では副作用情報の収集と解析を担当。
薬剤師名簿登録番号:第504326号
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チャミスルは体に悪い?健康への影響がやばい?危険なの?
噂のレベルでは、体に悪いとか、太りやすいだとか色々と言われているチャミスル。
以下では、チャミスルを飲むことで悪酔いしてしまう理由や、太りやすいなどと言われている原因、その他、糖尿病への影響があるのか否かなどを成分も含めてまとめていきます。
チャミスルの飲用で、起こりうる可能性を知っていきましょう。
結論:チャミスルが他のお酒に比べてすごく体に悪いということはない
チャミスルは、本当に他のお酒と比べて体に悪いと言えるのでしょうか?
結論として、特別このチャミスルだけが体に悪いとは言い切れないと考えられます。
チャミスルが例えば、唯一無二の特別な材料で作られた独自のお酒であったなら話は別なのですが、言ってしまえば、チャミスルは焼酎の一種でしかありません。
焼酎全般に対する危険性を懸念しているのならばわかりますが、チャミスルだけが危険というのは不可解です。
実際に、チャミスルに含まれる成分を原因とした健康被害の事例は、これまでに一つも見つかっていません。
急性アルコール中毒やアルコール依存症のリスクはもちろんゼロではありませんが、それはどのお酒であったとしても、共通したリスクですので別問題ですね。
ただ、体に悪いと考えられる部分がチャミスルには全くないというわけでもないことから、以下でそうした体に悪いと考えられる部分について、一つずつ解説していきます。
アルコール度数が高いのに甘くて飲みやすい
チャミスルは、製造工程で竹炭を用いて4回濾過を行うなど、クリアでまろやか飲み口と柔らかな甘さが特徴。
甘い後味のお酒は、お酒をあまり飲みなれていない20歳そこそこの若者でも、スルスルと飲めてしまう。
一方で、チャミスルのアルコール度数は、最も低いものであっても13%とされています。
一般的なビールが5%~6%程度ですから、どれだけアルコール度数が高いかがわかりますね。
チャミスルは甘くて飲みやすいことで、抵抗なく限界を超えて飲めてしまうんです。
そして、時間が経って酔いが回ってきたころにはもう、すでに飲み過ぎてしまっている。
これが、チャミスルが悪酔いしやすいと言われている原因かと考えられます。
カロリーが高めなので太りやすい
100mlあたり | カロリー |
チャミスル(フレッシュ) | 136kcal |
焼酎 | 206kcal |
ビール | 40kcal |
ウイスキー | 237kcal |
ワイン | 73kcal |
こちらは主要なお酒との100ml当たりのカロリーの比較一覧。
(参照:し好飲料類より抜粋)
チャミスルフレッシュのカロリーは、日本の一般的な甲類焼酎と比較すると低カロリーと言えますが、前述した通り、その飲みやすさが特徴です。
一本は360ml入りですが、一本飲み干したとすると、カロリーは374kcalにもなるんですね。
日本ではチビチビ飲むのが主流ですが、韓国式ではロックでグイグイ飲んだりもします。
知らず知らずのうちに、気付いたらいつの間にやらカロリーオーバーへまっしぐら。
味付きのチャミスルは、フレッシュよりさらにカロリーは高まります。
こうした点から、チャミスルは太りやすいと言われているのですね。
キク科のステビアが甘味料に使われている
チャミスルには、甘みを出すために原材料にステビアという天然甘味料が使用されています。
ステビアは南アメリカ原産の植物ですが、日本のお菓子やジュースにも使用される一般的なもので、キシリトールやエリスリトールなどと同じ、低カロリー製品によく使用される甘味料。
身近な存在ではあるのですが、この甘味料の摂取によってアレルギー反応を起こしたという報告が2013年以降で30件以上報告されています。
安全性は高いとされている甘味料ですが、体質によっては、アレルギー反応が出ないわけではありません。
また、ステビアはキク科の植物で、キクにもアレルギー反応を示してしまう人は存在することを覚えておく必要があるでしょう。
【補足】天然甘味料 ステビアの発がん性・性ホルモン現象のような噂は嘘
ステビアには、古代ペルーでは避妊薬として使用されていたという説があったようですね。
過去の動物実験において、ステビアを使用することでホルモンの減少が認められ、妊娠率が低くなったという結果も報告されていたようです。最も、現在ではステビアに避妊効果はないと立証されていますが。
食品安全委員会による調査によると
甘味料として使用される「ステビア抽出物」は既存添加物の一つであり、安全性に関する調査研究(平成8
年度厚生科学研究報告)において、発がん性試験や催奇形性試験・繁殖試験などの安全性試験成績から、「現時点において、直ちにヒトへの健康影響を示唆するような試験結果は認められていない」と評価している。
(引用元:第1回企画等専門調査会資料)
と、このように報告されています。
チャミスルは糖尿病によくない?
最初に注意点としてお伝えしておきますが、現在、糖尿病を患っている方に関しては、必ずかかりつけのお医者様と相談のうえで飲酒を行うよう、お願いいたします。
弊サイトでは、カロリー等の調査を行っていますが、一切の保証は出来かねます。
健康な方の参考にしていただく分には問題ありませんが、医療的な判断を伴うものではございません。
商品 | カロリー(Kcal) | 糖質(g) |
チャミスル | 104 | 1.5 |
ビール | 39 | 3.1 |
日本酒(純米酒) | 102 | 3.7 |
焼酎 | 206 | 0 |
表は、チャミスルフレッシュの数値ですが、低糖質であることはお判りいただけるかと思います。
ただし、一本を飲み干してしまえば、その糖質量は5.4g。
各種のフレーバーで味付けされたチャミスルは、100mlあたりで糖質10gを超えるものも。
飲み過ぎてしまえば、折角の低糖質も意味はないと言えますね。
チャミスルを飲む量の目安
飲み過ぎを防ぎたいと考えた場合、適正量を学ぶ必要がありますね。
厚労省が飲酒ガイドラインというものを設定していて、日本人で通常のアルコール代謝機能を持つ人の飲酒の適量とされる純アルコール量は1日当たり20gと定められています。
チャミスルには度数別に何種類かありますが、20度のフレッシュならば125mlまで。
フレーバー入りの製品は13度なので、200mlまでと導き出すことが出来ます。
もちろん、各個人によってアルコールの代謝機能には差異がありますが、飲み過ぎ防止の目安として覚えておくと良いでしょう。
できるだけ健康に影響を与えないチャミスルの飲み方は?
チャミスルに限った話ではありませんが、お酒は美味しく、楽しく飲みたいですね。
体に負担をかけず、チャミスルを楽しむにはどうした飲み方が適切であるか。
いくつか方法を示しますので、取り入れてみましょう。
目安量を守る
前述した通り、自分の適正量を守る。
体調なども影響しますが、無理な飲み方をせず、適正量を知って、守ることが第一です。
空腹のまま飲まず、食事と合わせる
お酒は何でも共通ですが、空腹時にガバガバ飲むと、酔いが回りやすくなります。
チャミスルは決して低アルコールというわけではないので、悪酔いなどを防ぐのならば、意識して食事を取りましょう。
チェイサー(水)を飲む
強いお酒を飲むときは、チェイサーを飲むことがおすすめ。
強いお酒を飲み続けることは、最悪、急性アルコール中毒を引き起こすリスクが高まります。
カクテルなど、薄めて飲む
強いお酒は、割って飲むことで体に優しく飲めます。
味の変化も楽しめ、体への負担を軽減しつつ、自分なりの楽しみ方を探しましょう。
まとめ:チャミスルは体に悪い?健康への影響がやばい?危険なの?
チャミスルについて、記事をまとめました。
チャミスルそのものが身体に悪いという実例は存在しませんでしたが、各個人の体質はもちろんのこと、結局のところ、何よりも飲み過ぎが一番の問題であることがお判りいただけたのではないでしょうか。
飲む始めると、ついつい楽しくなって飲み過ぎてしまうという気持ちは理解できますが、適切な飲酒量を守って、いつまでも長く、楽しくお酒と付き合っていってもらえれば、と思います。