一般に、ルイボスティーは身体に良い、というイメージがありますよね。
飲むだけで健康に寄与するのであれば、手軽で嬉しい限り。
ただ、条件によって悪影響を及ぼす一面もあると囁かれていますね。
今回は、ルイボスティーのメリットとデメリットについて解説していきます。
上手に摂取して、正しくメリットを得ましょう。
記事監修者
大道容子
薬剤師
薬学科卒業後、生命科学系大学院修士課程進学。院生時代にドラッグストアで薬剤師としてのアルバイトを経験。大学院卒業後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に入社。機構では副作用情報の収集と解析を担当。
薬剤師名簿登録番号:第504326号
>>>詳しい経歴はこちら
ルイボスティーは肝臓や腎臓に悪い?デメリット・副作用がある?
このルイボスティー、身体にとってプラスの要素もとても多い飲料です。
カフェインを含まず、どれだけ飲んでも大丈夫、という言われ方もしてきました。
しかし、含まれるミネラルの過剰摂取が、肝臓や腎臓に異常のある人には、身体の不調を起こす可能性があるということも否定できません。
以下に、ミネラルの過剰摂取による主な症状を記します。
- ナトリウム 高血圧、心臓病、胃癌
- カリウム 胃腸障害(腎機能障害の場合は注意)
- カルシウム 高Ca血症、泌尿器系結石、便秘、心血管疾患など
- マグネシウム下痢(軽度、一過性)
- リン 副甲状腺機能亢進・長官におけるCa吸収抑制など
- 鉄 便秘・胃部不快感など
- 亜鉛 銅の吸収阻害による銅欠症、貧血など
- 銅 嘔吐、下痢、昏睡、肝臓・腎臓の障害
- マンガン 神経・脳障害による運動失調など
- ヨウ素 甲状腺機能低下症など
- セレン 毛髪・爪の脆弱化・脱落、胃腸障害、腎不全など
- クロム 6価Crは腎・脾・肝臓・肺・骨に蓄積し毒性を発揮
- モリブデン 高尿酸血症、痛風様症状(根拠は薄い)
健康障害を回避するための量も定められていますが、何らかの疾患がある場合や、個人差などで障害が現れる可能性が考えられることにも注意が必要です。
ただ、食事などを通して過剰摂取になることは性質上考え難く、その一方で、サプリメントなどを用いた各種ミネラルの摂取には、注意が必要と言えるでしょう。
同様に、ルイボスティーをただ飲むことが、イコールでミネラルの過剰摂取と結びつくわけではありません。
肝心なのは、摂取する量となります。
補足:ルイボスティーの1日の摂取量の目安
ルイボスティーの1日の摂取目安量は、500mlとされています。
ティーカップに換算すると、およそ2~3杯分くらいの量。
どれだけ身体に、健康にとってルイボスティーが役立つものだとしても、正しく効果を得るには、適切な摂取量を守る必要があるということです。
同じ食品ばかりを摂り続ければ、どのような栄養素であれ、偏りが出ることになり、バランスが崩れるのは不思議なことではありません。
特に肝臓や腎臓に障害を持たない人であっても、ルイボスティーには血圧を下げる働きがあるので、めまいの原因となる可能性があります。
ルイボスティーの他の成分は肝臓・腎臓に悪くないの?
ルイボスティーが肝臓・腎臓に悪い影響を与えると言われる理由に、ピロリジジンアルカロイドという自然物質が挙げられます。
一部には、とても強い毒性を有しているものが存在すると言われており、それら毒性を有したピロリジジンアルカロイドが肝障害の原因となることが知られているのですね。
しかし、ルイボスティー自体にこの自然毒が含まれているという研究結果はありません。
また、ルイボスティーを飲用することで、健康被害を受けたという事例も現在まで見つかっていないのです。
さらに、このピロリジジンアルカロイドは緑茶や紅茶にも含まれている成分です。
これらから、ピロリジンアルカロイドが肝臓・腎臓に悪い影響を与える可能性は非常に少ないと考えられます。
ルイボスティーの原産地に水銀が含まれているという噂が立ったこともあるが…
過去に、ルイボスの産地である南アフリカ共和国の土壌で、水銀が発見されたという事例があります。
このことから、ルイボスティーにも水銀が含まれていて、肝臓に悪影響を及ぼすのではないか、と噂が立ったのですね。
水銀が体内に入った場合、肝臓や腎臓に蓄積されることから、これがルイボスティーが肝臓や腎臓に悪いと言われるきっかけとなっているのでしょう。
実際には、茶葉に影響を与えるほどの水銀は検出されておらず、国際基準に沿った検査が行われたルイボスが出荷されています。
安全性が確認されているため、水銀による悪影響を懸念する必要性は低いと言えますね。
ルイボスティーを飲まないほうがいいかもしれない人
ルイボスティーを飲んだことで、特に大きなデメリットはないことを解説してきましたが、飲まない方がいいかもしれない人、というのは存在します。
単純に味が受け入れられない人などはもちろんですが、アレルギーでもないけれど、何か身体が受け付けないということはありえますね。
具体例も紹介しますので、身体と向き合って飲んでください。
ルイボスティーは肝臓・腎臓が悪い人
上述しましたが、健康体の人はともかく、元から肝機能や腎機能に不調を抱えている人の場合は、ルイボスティーの積極的な摂取は勧められません。
ルイボスティーには成分中に豊富なカリウムが含まれ、カリウムを多量に摂取することで、例えば腎臓病を患う方の場合は、高カリウム血症へと繋がってしまうリスクを伴います。
高カリウム血症は、死の危険を伴います。
お茶を飲みたいのであれば、カリウム量の少ないもの、麦茶や玄米茶などを選びましょう。
エストロゲンが原因の病気を患っている人
女性ホルモンの1つであるエストロゲン。
エストロゲンは本来、女性にとって嬉しい効用を含みます。
ルイボスティーを飲むことで、このエストロゲンが多く分泌されるのですが、少なければ少ないで、自律神経失調症状や動脈硬化などに繋がりますが、多ければ多いで、乳がんや子宮がんの発症率を高めると言われています。
エストロゲンの過剰分泌が原因で起こる病気を患っている人や、月経痛がひどいという認識を持っている人は飲まない方が良いでしょう。
お医者さんに薬を処方されている人
ルイボスティーには高い抗酸化作用があります。
また、各種のミネラル成分を含むこともそうですし、血圧を下げたりなどする作用もありますね。
このことから、勝手な判断でルイボスティーを飲んでしまうと、処方されている薬と相性が悪かった、などという事態が起きる可能性があります。
お茶くらい好きに飲んでも大丈夫だろう、などと決して勝手な自己判断をせず、かかりつけのお医者さんに相談をすることを心がけましょう。
代謝が良い人
元々、ご自身の代謝が良いという実感がある人もいらっしゃるでしょう。
日頃より便通も良い、などという人の場合は、ルイボスティーを飲むことによって胃痛や、下痢などを起こしてしまう可能性があります。
ルイボスティーの効能に、便秘解消作用があるのですね。
また、含まれるミネラルのうちマグネシウムが下痢を引き起こすことも。
これらから、日頃の便通が良い人は、飲用を考える必要があるでしょう。
ルイボスティーを飲むメリットはたくさんある
ここまでで、ルイボスティーは少し付き合いにくいお茶だと認識されたでしょうか?
ただ、ルイボスティーには飲むことで得られるメリットがたくさんあります。
- 便秘
- 高血圧
- 皮膚疾患、アレルギー
- 糖尿病
- 白内障
ルイボスティーは活性酸素の働きを抑制する物質SOD(スーパーオキシド・ジムスターゼ)を補助することが出来る。
それによって、上記した疾患予防・改善に効果があるとする研究結果が出ているんですね。
他にもアンチエイジングやストレス緩和、疲労回復など様々な効能があるとされ、男性にも嬉しい発毛・育毛促進効果に生殖能力低下を防ぐ効果まで認められています。
まとめ:ルイボスティーは肝臓や腎臓に悪い?デメリット・副作用がある?
ルイボスティーは、通常の食事からでは不足しがちなミネラルを多量に含んだ、アンチエイジングや美容への効果も期待できる健康茶です。
一定の効果が期待できる一方、あくまでもお茶であって、薬ではない。
飲むことで即、重篤な症状を引き起こすものではありませんが、多量に摂取した場合は、体質によっては注意が必要です。
万が一、異常を感じることがあれば、すぐに病院で相談を。
用法・用量を考え、上手に付き合ってくださいね。