辛ラーメンから発がん性物質が検出された!?
辛ラーメンって体に悪いから食べない方がいいの?
辛ラーメンを皆さんはご存知でしょうか。
韓国のメーカーである農心が販売しているインスタントラーメンです。
唐辛子やスパイスが効いて旨辛いと日本でも人気がありますよね。
辛い食べ物というのは中毒性があり、常に新しいお店がオープンして話題になっています。
またメーカーもこぞって新商品を開発するというジャンルです。
今回のテーマは、辛ラーメンが体に悪い・食べない方がいいと言われていますが、本当なんでしょうか。
【2022年最新】辛ラーメンから発がん性物質が検出されたって本当?
辛ラーメンから発がん性物質が検出されたんですか?
辛ラーメンから発がん性物質が検出されたという噂が流れましたが、どこでどの様に噂が広まったのでしょうか。
本当に身体に悪くないのか成分や体に及ぼす影響を、過去の事例をもとに詳しく検証していきます。
辛ラーメンから発がん性物質
辛ラーメンには発がん性物質が含まれていると疑われていますが、2021年の検査結果ではこのように発表されています。
EU向け商品である「SEAFOOD RAMEN」の麺、かやく、スープを個々に検査をしたところ、発がん性物質の「エチレンオキサイド(以下、EO)※1」は不検出であり、発がん性物質ではない「2-クロロエタノール(以下、2-CE)※2」が微量検出されましたが、人体に有害の恐れはない数値でした
引用元:https://www.nongshim.co.jp/20210819.html
この文献の表題は【EU向け「SEAFOOD RAMEN」について】となっており、日本向けの商品ではありません。
また、検出された物質は発がん性物質ではないと発表されており、明らかな誤報です。
エチレンオキサイド、2-クロロエタノールとは?
上記の検出されなかった物質「エチレンオキサイド」とは、有機化合物の一種で、三員環の構造を持つ環状エーテルで「オキシラン」とも呼ばれます。
水や有機溶媒のいずれにもよく溶ける空気より重い気体で、主な用途は、有機合成の原料、界面活性剤ですが、加熱殺菌ができない医療器具用の滅菌ガスとしても用いられています。
エチレンオキサイドの人の健康に関するリスク評価の優先度を審議するため、平成30年にスクリーニング評価が実施されました。
その結果、発がん性がある物質と判断されました。
厚生労働省が発表した資料がこちらです。
参考元:https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000533916.pdf
微量ですが検出された「2-クロロエタノール」とは、グリセリンの様に微かにエーテルに似た甘い臭いを持つ無色液体の化学物質です。
おもに酸化エチレンの製造や染料、医薬品、殺菌剤や可塑剤の合成原料として利用されます。
国立医薬品食品衛生研究所が発表した資料がこちらです。
2-CE は EO とは異なり、発がん性物質に分類されておらず、非意図的に汚染されたり発生する可能性があることを勘案し、暴露安全基準を考慮して暫定基準を設けており、食品衛生審議委員会の専門家審議を経て、農・畜・水産物および加工食品は、30 mg/kg 以下、幼児を摂取対象とする食品(離乳食など)は、10 mg/kg 以下と設定した。食薬処は、今後、食品中の 2-CE 汚染実態と汚染原因などに対する十分な調査資料が確保され次第、暫定基準を再検討する予定である。
引用元:https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202119ca.pdf
このように2-クロロエタノールは発がん性物質には分類されてません。
各国の発がん性物質の基準について。EUがもっとも厳しい
辛ラーメンには発がん性物質が入ってないのになぜ入っていると言われるのですか?
2021年にEU加盟国から辛ラーメンに発がん性物質があると報告がありました。
本来、発がん性物質が入ってないのになぜその様な報告があったのでしょうか。
それは、国によって食品安全基準が違い、世界の中で最も厳しいのがEU加盟国だからです。
日本や韓国の食品安全基準では基準値は超えてませんが、EU加盟国では基準値を超えてしまいます。
なぜかというと、EO(エチレンオキサイド)と2-CE(2-クロロエタノール)を日本では別の項目として検査しますが、EU加盟国ではEOと2-CEの合計値をEOの基準値として設定しているからです。
他の農心ラーメンからは発がん性物質が検出。「発がん性物質の危険性や有害」は嘘
2021年にイタリア保健省は、辛ラーメンキムチから基準値を越える2-クロロエタノールが検出されたと発表しています。
2-クロロエタノールは発がん性物質ではありませんが、EU加盟国では食品安全基準が厳しいため、基準値を超えたと発表しています。
メーカーの農心によると、2-クロロエタノールの基準は、EU加盟国が世界1厳しく、韓国や日本、中国にも基準はありません。
また、2-クロロエタノールは、微量検出されても人体には影響はないと発表しています。
同メーカーの即席麺から発がん性物質が検出された事から、辛ラーメンにも発がん性物質が入っていると誤報が流れましたが、発がん性物質が検出されたというのは「嘘」という事になります。
辛ラーメンは食べても問題は無い
EU加盟国の基準値が厳しいだけなんですね。
それでは、辛ラーメンは食べても問題無いのですか?
まず、イタリアで検出された商品はEU向けの商品のため、日本には輸入されてないので安心して下さい。
そして、イタリアで検出されたのは、発がん性物質の「エチレンオキサイド」ではなく、発がん性物質ではない「2-クロロエタノール」が微量検出されました。
その数値も人体に有害の恐れはない数値でした。
イタリアがこのような報告をしたのには理由があります。
EU加盟国ではEO(エチレンオキサイド)と2-CE(2-クロロエタノール)の合計値をEOの基準値として設定しているからです。
つまり発がん性物質ではない「2-クロロエタノール」を発がん性物質として認識してしまうからです。
もし、本当に発がん性物質が入ってたとしたら、厚生労働省が発売禁止にしているはずです。
発がん性物質が検出されたのは別の農心ラーメン!発がん性物質が出た韓国ラーメンはどれ?
辛ラーメンに発がん性物質が入っていると誤報が流れたのは、食品メーカーである農心の別の商品に発がん性物質が検出されたからです。
農心はどの様な商品を作っていたのでしょうか。
その商品は何なのか、どんな成分が入っているのか気になりますよね。
発がん性物質が出たのはノグリラーメンとエビダンビッグカップ
発がん性物質が検出された商品を教えて下さい。
2012年に韓国の食品医薬品安全庁が、麺製品を調べたところ、農心のラーメンやうどんのスープから1キログラム当たり2〜4.7マイクログラムのベンゾビレンが検出されました。
当時、韓国のテレビ局がこの内容を報道し、安全庁は農心へ該当ラーメンのリコールを命じました。
東京の韓国食材スーパーなどでも、検出された2種類のノグリラーメンを販売していましたが、この事件を機に回収されています。
ベンゾピレンとは?
ベンゾピレンとは、WHO外部組織の国際がん研究機関によって、がんを発症する危険性があるとして分類されている物質です。
国立環境研究所から有害化学物質の生体影響評価の現状を報告しています。
ベンゾピレンはヒトに対して遺伝毒性(変異原性)を有する発がん性物質であり、非発がん性については、生殖毒性、免疫毒性及び神経毒性を有する物質であると評価されたことになります。
引用元:https://www.nies.go.jp/kanko/news/36/36-6/36-6-04.html
ベンゾピレンは有害大気汚染物質の優先取組物質の一つに指定されており、「継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるもの」と定められています。
また、コークスを製造する時の副産物であるコールタールや、自動車の排気ガスやタバコの煙などにも含まれており、肉や魚を焼いた時に出来るコゲからも検出されます。
発がん性物質が検出された農心のラーメンは日本で売ってるの?
発がん性物質が検出されたラーメンは日本で売ってるの?
2012年に韓国の農心のラーメンから発がん性物質が検出されましたが、その後はどうなんでしょうか。
2021年に国立医薬品食品衛生研究所が発表した食品安全情報がこちらです。
2-1)今回、欧州で 2-CE が検出されたと発表した韓国産ラーメンは、国内でも販売されて いるのか?
⁃ 該当製品は輸出用製品として製造されて全量輸出され、国内で流通・販売されていない。 ⁃ 農心からドイツに輸出した「輸出用海鮮湯麺」2 ロット*の「野菜ミックス」と「麺」で 2-CE が検出**されたという情報。
* 該当ロット:12022.1.27. 22022.3.3.
** 野菜ミックス(7.4 mg/kg、5.0 mg/kg)、麺(0.18 mg/kg)
⁃ 八道からドイツに輸出した「ラーメン餅炒め(ラポッキ)」*の「スパイス粉末」で 2-CE が検出**されたという情報。
*該当ロット:2022.2.27./ **スパイス粉末(10.6 mg/kg)
引用元:https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202119ca.pdf
まず、2012年に報じられた韓国のラーメンはリコールで回収されました。
もちろん、日本でも該当の商品は全て撤去されています。
2021年の国立医薬品食品衛生研究所の発表をまとめます。
国立医薬品食品衛生研究所の発表
つまり、日本では販売されておりません!
辛ラーメンは体に悪い?有害?食べない方がいいって本当?
ここまでは、「辛ラーメンは体に悪くない、食べても大丈夫」という事を解説してきましたが、噂が事実無根という事が分かりましたね。
もちろんそんな事はとっくに知っているという人も多いでしょう。
またネット上では様々なアレンジレシピが開発されています。
それでは辛ラーメンの味や成分を紹介します。
辛ラーメンは辛いため人によってはお腹がやばいかも
辛ラーメンの魅力は何といっても「辛さ」です。
厳選したシャープな唐辛子と、オリジナルスパイスの旨味がスープに溶け込んでクセになる事間違いありません。
特別に配合した高級麺用の小麦粉を使い、楕円形に作った麺が牛骨ベースのスープと良く絡みます。
韓国の方は辛さに強いかもしれませんが、苦手な方はお腹を壊す場合があります。
唐辛子に含まれるカプサイシンは胃腸を刺激する作用があるので、胃痛の原因になります。
また、材料に含まれるスパイスやニンニクは食欲増進の効果がありますが、胃腸に負担をかける食材です。
体調が悪い時は消化不良をおこし下痢の症状を引き起こすこともあります。
胃腸の弱い方は、辛ラーメンを食べるのを控えた方が良いでしょう。
1食あたりのカロリーが比較的高い
一般的にラーメンはカロリーが高いと言われますが、辛ラーメンはどうですか?
辛ラーメンの袋麺の成分を調べてみました。
標準栄養成分表1食 (120g) 当たり
成分表
- エネルギー:500kcal
- たんぱく質:9.8g
- 脂質:15.0g
- 炭水化物:81.5g
- ビタミンB1:4.19mg
- ビタミンB2:1.77mg
- カルシウム:30mg
カロリーが500kcalとかなり高い事が分かります。
これはバナナ約5本分に相当します。
また、脂質や炭水化物も比較的高めです。
カプサイシンはダイエット効果がありますが、辛ラーメンはあまりダイエットには向いてないと言えます。
他のインスタントラーメンにもほぼ同じ事が言えるので、ダイエット中の方は食べ過ぎない様にしましょう。
同じ韓国ラーメンのサリ麺は体に悪い?
他の韓国ラーメンは体に悪いのですか?
カロリーに関してはほぼ同じと考えてよいでしょう。
「サリ麺」は韓国の食品会社「オットギ」が販売している商品です。
商品名の「サリ」とは鍋料理などのシメに入れるラーメンの事を指し、この商品には粉末スープは付いていません。
太麺でコシが強くもっちり、シコシコ、ツルツルの食感で煮込んでも伸びにくいので、鍋料理に最適です。
サリ麺の袋麺の成分を調べてみました。
標準栄養成分表1食 (110g) 当たり
成分表
- エネルギー:488kcal
- たんぱく質:10.0g
- 脂質:16.0g
- 炭水化物:76.0g
成分に関しては辛ラーメンとそれほど変わらないので、ダイエットには向いてません。
「サリ麺」の最大の特徴は粉末スープが付いてないので、好みのスープで頂ける事です。
まとめ:辛ラーメンから発がん性物質!?体に悪い・食べない方がいいって本当?
辛ラーメンから発がん性物質は出ていない、食べても全く問題ないという事が分かりましたね。
とても美味しいけどデメリットがあると紹介しましたが、実はメリットも沢山あります。
血行促進や疲労回復、冷え性の改善、脂肪燃焼、便秘の改善などです。
今回は紹介できませんでしたが、詳細はまたどこかで発表します。
今回の記事の結論は、辛ラーメンから発がん性物質は検出されていないという事です。
最後までご覧頂きありがとうございます。
間違った情報に惑わされず、正しい情報をしっかりと見極める事が大切ですね。