ゲテモノって何ですか?
元々は、出来や品質の良い物「上手物(じょうてもの)」の対義語として使われており、大衆向けの並みで安い物を指していました。
しかし、現在では世間の価値観から外れた物として扱われています。
また、一般の人が食べるのをためらう食材が多く、中国では漢方の一種でもあります。
そもそもゲテモノ料理とは?
例えば、虫を食べるのもゲテモノ料理ですか?
これらも、立派なゲテモノ料理になります。
ゲテモノ料理とは
- 粗悪で大衆的な品
- 一般的な価値観から逸脱した奇妙な料理
- 食べることを躊躇するような食材を使用
- 独創的で一部の地域にしか見られない料理法
世界的にも昆虫食の文化を持つ地域はたくさんあります。
オーストラリアでは先住民が地中の幼虫を食べています。
アメリカではジュウシチネンゼミが大量発生した年には、皆好んで食べたという記録も残っている程です。
世界のやばいゲテモノ料理を紹介【日本編】
さて、日本にはどんなゲテモノ料理があるのでしょうか。
実は海外の一部地域では普通に食べられている物が、日本ではゲテモノ料理と呼ばれている物があります。
またその逆として、中東地域ではタコを「デビルフィッシュ」と呼ばれ嫌われているという例もあるのです。
皆さんも一度は食べたことがあるかもしれませんよ。
それでは、日本各地のゲテモノ料理を紹介していきます。
蚕のさなぎの佃煮
長野県ではスーパーで売られている程ポピュラーな商品で、1パック100gで299円。
安い!
普通に晩酌のおつまみを買う様に、スーパーのカゴに入れている風景をよく見かけます。
諏訪地域の他にも、養蚕が盛んだった地域では飲食店でもメニューにあるそうです。
まさにさなぎの形状のままで、皿に移すと分かりますが、ネットリしたタイプではなく乾燥しています。
香りは独特で、和紙を煮込んだ様な、魚釣りのエサにこんな香りの物があった記憶があります。
いざ口にすると、パリパリかと思いきや、しけたせんべいの様です。
凝縮したエビ風味とえぐみが後味に残ります。
ユムシの刺身
日本各地に生息しており、韓国や中国、北海道の石狩市でも食べる文化が根付いている様です。
クロダイやマダイの釣りエサに使用されますが、実は食べると美味しいんです。
通常のサイズは10センチから30センチとなり、釣りエサで扱っている場合は1匹100円から200円となります。
見た目があまり良くないためか、両端を切り落とし内臓を洗い落として処理します。
刺身は、コリコリとした食感でミル貝の様な味、わさび醤油や塩を加えたゴマ油で食されます。
見た目に抵抗がある方は、しゃぶしゃぶやソテーにしてはいかがでしょうか。
イソアワモチの味噌煮
磯に住む貝殻を持たない軟体動物で、干潮時に岩場の穴から出てきます。 調理手順 柔らかくなるまで時間がかかりますが、トロトロの美味しい味噌煮に仕上がります。 巨大なナメクジの様な軟体動物で、刺激を受けると紫色の液体を海中に吐き出します。 調理手順 島根県の隠岐の島で食べられており、地元の人は「べこ」と呼んでいます。 めだかって絶滅危惧種じゃないんですか?
房総半島より南の太平洋側に生息し、約10センチまで大きくなります。
沖縄地方では「ホーミ」、奄美地方では「コウム」と呼ばれ、味噌で料理される事が多い食材です。
生体は貝殻がないアワビやナマコを想像して頂くと伝わり安いと思います。アメフラシの味噌和え
その様が雨雲がたちこめた様に見えることから、アメフラシと呼ばれるようになりました。
グロテスクな見た目からは、想像もつかないほど美味しいと評判です。
香りも良くホッキ貝のような食感だけではなく、ネットリとしています。
この見た目でなければ、アワビと並ぶ高級食材になっていたとも考えられるでしょう。めだかの佃煮
めだかはうるめとも呼ばれるため、食用にする時は「うるめの佃煮」とも呼ばれるそうですよ。
めだかを食べる文化のあった新潟県中越地方では、今でも特産品として作られています。
雪が降る前の11月頃に取って佃煮にし、冬場の貴重なたんぱく源として重宝されていました。
ほのかな苦みがあり、お酒のお供としても人気があります。
1瓶(55g)1,890円と少しは高めですが、手間を考えると納得がいきます。
イルカの肉
ほとんどクジラの肉と変わらないというイルカは、三陸方面、四国方面、北陸方面、山梨県の一部でも料理として食用にされています。
イルカとクジラの違いは体長4メートルを境界としているだけなのです。
つまり、出世魚と同じ考え方ですね。(笑)
イルカを美味しく調理するには、血抜きと脂抜きの下処理が重要です。
クジラ同様、刺身、焼き、揚げ、煮物などなんでも美味しいと評判で、レシピサイトにも掲載されている事に驚きました。
世界のやばいゲテモノ料理を紹介【ベトナム編】
ベトナム料理といったら何を思い出しますか?
生春巻きやフォー、バインミーが有名ですよね。
欧米ほど肉食中心ではなく、米粉を使ったライスペーパーや生春巻きなど、とてもヘルシーな印象です。
油を使うよりも、スープの様な煮込んだ料理が多く、日本人の舌によく合うと思います。
ここからは、ベトナムのゲテモノ料理を紹介していきます。
マムトム
ベトナムで有名なニョクマムは、魚を発酵させて作った調味料に対し、マムトムは海老を発酵させて作った調味料です。
日本の塩辛のような、独特の匂いがします。
代表的な料理は「ブンダウ・マムトム」揚げ豆腐や豚肉の薄切り、さつま揚げ、ハムを麺の「ブン」と一緒に食べる料理です。
「マム」が塩辛い、「トム」が海老という意味なので、塩辛い海老となり、マムトムの日本名表示は「海老の塩漬け」と書かれています。
材料は小海老、食塩、調味料と実にシンプルで、塩分濃度は17%を超える商品もあります。
注意
ホビロン
「ホビロン」とは孵化直前のアヒルの卵をゆでたものです。
1個約20円から30円と案外リーズナブルで、現地の人たちはよく食べています。
お皿に卵とエッグスタンドと蓼の葉っぱ、別皿に塩とライム、このスタイルが定番のようです。
ゆでたてのアツアツの状態で提供されるので、まずは卵の先端を割って殻を取り、スープ(つゆ)を飲んで下さい。
アヒルになりかけているので、かなりグロテスクですが、味は鶏肉と卵の中間くらいです。
くせになる味で栄養価が高く、滋養のために妊婦さんが食べる事もあります。
豚の脳みそ
脳みそというのは、世界各国で食べられている様ですが、こちらは「豚の脳みそのスープ」です。
かなり、たくさんの香草が入っているのは臭みを抑えるためでしょうか。
病院や理科の授業で見たビジュアルそのままなので、躊躇してしまいます。
食感は見た目もよく似たフグの白子の様で、ネットリとまとわりつきそうです。
味は濃厚というよりも、くせのない繊細な白身魚に近いかもしれません。
日本ではなかなか食べられませんが、ベトナムでは内臓料理の一つの様な感覚なのでしょうか。
犬の肉
ベトナムでもごく稀ですが、犬の焼肉専門店があります。
たまに食べる機会に巡り合える、ごちそうといったところでしょうか。
精が付き体温を上げる効果があります。
現地ではスパイスで味付けしたり、香草で包んで食べるそうです。
問題となっているのが、飼い犬の窃盗も多く盗んで食べたり、焼肉店に売るようです。
国が変わると社会問題のテーマがこれほどまで変わる事に、違和感しか感じません。
日本で流行っているジビエ食も別の国から見たら、歪な文化に見えてるのでしょうか。
猫の肉
犬の肉と同様にベトナム北部にある食文化です。
猫肉には体を温める効果があります。
見た目はヤギ肉やトリ肉、豚肉の様な色で、筋が多く脂っこいのが特徴です。
現地の人は食べるそうですが、食べた事がある日本人の感想では、缶詰を開けた時の様な臭みで、強烈な刺激のある安物のキャットフードの様だと表現しています。
猫をペットとして愛玩している人たちからすると、理解できない文化だと容易に想像できます。
タランチュラ
タランチュラって毒があるんじゃないですか?
今世界では80ヵ国、約20億人を超える人が昆虫を食しています。
その中でも、タランチュラは人気のある商品の1つです。
タンパク質やミネラルが豊富で、食糧難の対策に役立つ食材として評価されています。
足や頭は毛が多くて食べづらいですが、お腹の部分は甲殻類のミソの風味で美味しいと評判です。
現地の飲食店では1匹約300円です。
注意
トカゲの料理
東南アジアはもちろん、中国、南米、ヨーロッパの先進国でも食されています。
毒を持つ種類が少なく、ジャングルに入れば簡単に捕まえられることから、古代から人類の食料とされてきました。
食感は、生息地によって異なり、乾燥地帯だと「パサパサ」、熱帯地域だと「ジューシー」と表現されます。
味は鶏肉のささみや白身魚の中間といった感じで、臭みはありません。
日本でも提供されているレストランや通販もあります。
味わってみたい方はネットで検索してみてはいかがでしょうか。
世界のやばいゲテモノ料理を紹介【中国編】
中国といえば4,000年の歴史を持つ世界3大料理の1つですよね。
食文化について語るのに外せない「机と飛行機以外のものは何でも食べる」という言葉があります。
つまり4本足のものは机以外、空を飛ぶものは飛行機以外何でも食べる、という中国の食文化を表現しています。
ここからは中国のゲテモノ料理を紹介していきます。
マオジーダン(雛の煮込み料理)
マオジーダンは漢字で書くと「毛鶏蛋」。
直訳すると「毛の卵」ですが、ひよこの産毛に包まれた雛の姿煮を醤油で煮込んだ料理です。
聞いただけでゾッとする料理ですよね。
マオジーダンは完全食品の卵が孵化寸前になっていることから、栄養満点だと誤解が広まってます。
孵化のために栄養素を使いきった状態に、卵と同じ栄養があるとは思えません。
また、そのような状態の雛の体内の細菌や有害物質の加熱が十分ではなく、中毒で死んだ人もいるそうです。
中国の食は命がけですね。
セミ料理
日本でもセミは食べられるのですか?
中国では画像の様に、セミの幼虫を唐揚げにして食べるのはよくある光景です。
特に山東省の済南、聊城という都市では昆虫食文化が根付いており、サソリやコウロギも食べるそうです。
高タンパクで昆虫の成長も早いので、食糧難の際に期待される食材となりえるでしょう。
歯ごたえはサクッとしてて、川エビの素揚げの様な食感です。
ネズミの踊り食い(三聴)
ネズミの赤ちゃんを生きたまま踊り食いする中国のゲテモノ料理です。
日本人の一般的な感覚からは想像する事自体恐ろしい料理です。
ネズミの赤ちゃんを「箸でつまむとき」「タレにつけるとき」「口に入れて噛んだとき」の3回鳴き声を聴く事が出来ることが、料理名の由来です。
さすがに、この画像には「信じられない!」といった反響があります。
注意
注意
ねずみジャーキー
またしても、かなりグロテスクなねずみですので、ご用心下さい。
福建省 寧化県の「ねずみジャーキー」です。
さすがに、自国の中国ネットユーザーからも気持ち悪いとコメントされています。
この画像はねずみの姿のままなので、ねずみと判断できますが、カットされて売られていたら何肉なのか分からないですよね。
中国産を使用する時は、信頼できるメーカーの物を使用しましょう!
貴州牛糞火鍋
貴州省南東部、広西南西部の料理で、牛の糞を使った辛い火鍋という名前です。
牛に青草と中国の生薬を食べさせて、反芻が終わった頃に牛を屠殺し、胃と小腸の内容物を採取するのです。
その内容物を出汁として、牛の肉と内臓をブツ切りにしたものを入れて煮込むと、牛糞の匂いがしてきます。
しかし、不思議なことに不味くはなく、食べれば食べるほどくせになる味だそうです。
福建流蜞
福建省では流蜞と呼ばれる、ゴカイイトメに近い種類の生き物を炒めた料理があります。
ゴカイはミミズに近縁なのでミミズの炒め物と言えば分かりやすいでしょうか。
香りを付けるためにニラの様な香草と一緒に炒めています。
生きていない事だけが唯一の救いです。
こちらは、グロテスクというより気持ち悪いと表現するのが近いかもしれません。
現地ではよく食べられていますが、観光客も何か分からず食べているかも知れませんね。
世界のやばいゲテモノ料理を紹介【フランス料理編】
ここまでは、かなりグロテスクな料理を紹介してきましたが、次はヨーロッパのフランスの話題です。
こちらも中国同様に、世界3大料理の1つです。
フランス料理といえば、高級料理というイメージしか浮かびませんが、どんな変わった料理があるのでしょうか。
ここからは、フランスのゲテモノ料理を紹介していきます。
テット・ドゥ・ヴォ
ここからのフランス料理が楽しみです。舌を噛みそうな名前ですね。
こちらは仔牛の頭を丸ごと煮込んだ料理です。
直訳するとテットが頭、ヴォが仔牛です。
宮殿料理としてヴェルサイユ宮殿では盛大な晩餐会に提供されてきました。
作り方は、まず仔牛の頭を煮込みます。
身を外し皮付きのままロール状にして、さらにじっくりとゆでて柔らかくしたものをスライスします。
ソース・グリビッシュやソース・レムラードで食べる伝統的なリヨンの料理です。
トリプー
なんだか可愛い名前ですね。
トリップやイタリアではトリッパとも呼ばれますが、胃や腸を指します。
日本でももつ鍋やホルモン焼きなど、昔から市民の味として居酒屋で提供されていますよね。
フランスでは、オーベルニュ地方や南フランス各地で食べられています。
各村ごとレシピは異なりますが、代表的なのはトリップアラモードと呼ばれる料理です。
ノルマンディー地方のレシピでは、地方特産のシードルやカルバドスを使って野菜や香辛料と一緒にじっくりと煮込むのが本来のカーン風です。
シビレ
ホルモン料理で聞いた事がありますけど。
ちなみにフランス語では、仔牛の胸腺をリードヴォー、子羊の胸腺をリーダニョーと呼びます。
胸腺は生後1年以内の未成熟の個体から取れない希少な部位になります。
処理の仕方は、まず流水にさらして不純物を洗い流します。
クールブイヨンに湯通しして冷水で冷やします。
重石をかけて水分を出してから、筋をとり使いやすいサイズにカットします。
小麦粉をつけて、ムニエルにしたり、カツレツにすると美味しく召し上がれます。
ベシャメルソースやグレイビーソースが、しっとりとした中にコクのあるシビレと良く合います。
カース・マルツゥ
イタリアのサルディーニャ地方のチーズです。
「腐ったチーズ」を意味し、なんと「うじ虫」を使って発酵させています!
製造段階で意図的に成虫に卵を産み付けさせるのです。
腐敗に近い状態になったチーズはボロボロになっていますが、非常に柔らかくトロトロに仕上がります。
ただし、その危険さから一時は販売が中止になっています。
しかし、その美味しさからかなりの高額で取引されているそうです。
正規の市場では目にすることが出来ないかもしれませんが、サルディーニャへ旅行の際には探してみるのも面白いですね。
クルージュ・ドゥ・ムートン
ムートンって確か羊でしたっけ?
トリュフやフォアグラで有名なペリゴール地方の料理です。
睾丸は小さく切り分けられ、レモンとパセリ、一部の人はクリームで味付けします。
実は睾丸はフランスだけではなく、世界で食べられている料理なんです。
日本でも沖縄地方ではヤギや羊の睾丸のソテーを出す料理店があります。
気になる栄養価や効果は精力剤と言われていますが、医学的に証明はされておりません。
日本でゲテモノ料理を食べられるお店を紹介
日本でもゲテモノ料理が食べられるお店ってありますか?
それでは、日本でもゲテモノ料理が食べられる3つのお店を紹介します。
まずは横浜の野毛にある「珍獣屋」
看板のメニューを見てお分かりの様に、実に珍しい獣や昆虫を扱っています。
実はこのお店、業界ではかなり有名で日本各地からお客様が来店している様です。
某口コミサイトでもかなりの高評価を得ているのには驚きました。
代表的なところでは、「子供ワニの手1本揚げ」や「ウーパールーパー1本揚げ」がお勧めのようです。
もちろん「脳みそ」もあります。
昆虫から内臓、ジビエと幅広くやっており、ゲテモノ好き以外の方にも人気がある様です。
上海小吃
続きまして、テレビでもよく紹介される新宿区歌舞伎町の「上海小吃」(シャンハイシャオツー)
ディープな路地裏を抜けると、まるで時が止まった様なアジア感全開のお店です。
こちらは上海料理に加えて、四川、湖南料理を提供しています。
素揚げにしたクモやムカデ、サソリといった昆虫食から、「豚の脳みその炒め」も当然あります。
そして、画像の「金玉満堂」いわゆる「睾丸」や「牛のペニスのカレー煮込み」といったラインナップも通にはうれしいですね。
こちらの店舗はメニューに画像があり料理の説明が書いてあるので、初心者にもお勧めです。
表現するとしたら、非常にクオリティの高いチャイナゲテモノとでもといった所でしょうか。
朝起
最後に紹介するのは、新宿西口は思い出横丁内にある「朝起」(アサダチ)
名前がちょっと卑猥な感じがしますが、スタミナがつきそうな料理があります。
名物の「スッポン」や「金玉」「子宮」「オオサンショウウオ」をハブ酒と一緒に食べるのがお勧めの様です。
こちらのお店は居酒屋によくある一品料理も充実してるので安心できますね。
全て行った事のある人は立派なゲテモノ通です。
今後も新たなゲテモノを探しに世界に飛び立ちましょう!
まとめ:世界のやばいゲテモノ料理をたくさん紹介【日本・ベトナム・中国など】
今回は世界のゲテモノ料理を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
食べた事のある料理や、名前も聞いた事のない食材が多かったですよね。
冒頭でゲテモノ料理とは、と述べましたが、
ゲテモノ料理とは
- 粗悪で大衆的な品
- 一般的な価値観から逸脱した奇妙な料理
- 食べることを躊躇するような食材を使用
- 独創的で一部の地域にしか見られない料理法
そこには文化があり、地元に根付いた料理で人々を支えてきた歴史があるのです。
いかがでしょう、世界を旅したくなりましたか?
あなたも新たな扉を開いてみてはいかがでしょうか。